これまで多くの方の転職支援に携わってきたが、ほとんどの人が転職エージェントには理想的な求人を紹介されることを期待している。だがほとんどの人の理想的な求人は、世の中に存在しないか、到底その人では力不足のため不合格になるかのいずれかになる。
では良い転職にするためには、何をすればいいのか? それは下記を満たすことだと思う。
①自分が転職によって叶えたいこと・譲れないことが明確であること
②自分の叶えたいこと・譲れないことが叶う業界・企業規模・仕事内容・働く環境が理解できていること
③転職するのかしないのか、転職先はどこにするのか、を自分自身で意志決定すること
そのため転職エージェントは、良い転職となるように照らし合わせて下記のような支援をするべきだ。
①については、内省を促すことで叶えたいこと・譲れないことの明確化の支援をする。
②については、これまで蓄積されてきた情報に加え最新の動向を基に、各業界・企業・求人の情報を伝えることで、どこではなら希望が叶うのかを知る支援をする。
③については、思考を整理することで、意志決定することの支援をする。
転職エージェントは御用聞きのように求人を紹介するだけではなく、このような支援ができるかどうかが良い転職のサポートにつながるということを忘れてはならないし、いかに早く良い転職にするための条件について納得させてあげることができるかだと思う。
転職を検討・希望されている方は、自分の理想的な求人を考えるのではなく、自分自身が何を叶えたくて転職を希望しているのかを深く考えてほしい。深く考えれば考えるほど、転職エージェントを上手く活用することにも繋がるし、何より自身のキャリアの方向性が定まってくる有意義な時間になることは間違い無いのだから。その結果、転職をしないという選択肢をとることがあっても、もちろん良いことだ。
実際、これまで関わってきた求職者から取得したアンケートは下記のような傾向がある。
・最初に転職エージェントを選択された理由は「自分にマッチする求人数が多そうだから」という指標が圧倒的上位にくる。
・最後に転職エージェントに満足されたかどうかは「自分の転職活動に親身になって寄り添ってくれたかどうか」の指標が最も重要視される。
このことからも良い転職の条件・良い転職エージェントの条件が見えるだろう。